庄内の松林

庄内には松がたくさんあります。庄内海岸砂防林です(写真は「最上川河口史」より引用)。

庄内海岸砂防林の発祥は、300年前にさかのぼります。庄内地方の沿岸部にはかつて自然林がありましたが、海水から塩を作り出すために、燃料としてこの自然林を大量に切り出し、砂漠化させてしまいました。砂漠化による「飛砂」の猛威に苦しんだ人々が、荒れ狂う砂丘を静めるために植林を始めました。絶え間ない植林の努力の結果、不毛の砂丘をクロマツの緑で覆うことに成功しました。

しかし、高度経済成長期以降は、生活様式と管理意識の変化から、手入れ不足が顕著化しています。そして、現在の最大の課題は、マツ材線虫病による松枯れです。

マツ材線虫病は、マツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリによって引き起こされます。そのメカニズムは、

①カミキリが蛹(さなぎ)のときにセンチュウがカミキリの気門から取り付きます。

②カミキリが成虫になって、新しい松を求めて飛び立ちます。

③カミキリは大人になるために、若い松の小枝の樹皮を食べている間に、カミキリの中にいるセンチュウは、カミキリのお尻の先から松に小枝に移ります。

④センチュウは、小枝の傷口から松の樹体内に入り、松を食べます。仮道管を食べるので通水障害で、枯れ始めます。

⑤カミキリが枯れ始めた松から出る匂いをかぎつけ、松に産卵します。

そして再び①への繰り返しです。このように、センチュウとカミキリは、強力な共生関係にあります。

この最強共生タッグに対して、予防のために薬剤散布、樹幹注入、駆除のためにくん蒸、焼却、破砕をします。

当たり前のようにあるものが、実は多くの人の手のかかったとても有難いもので、それを維持するために、手間や時間がかかることを改めて考えさせられました。