握手

今年中学校の教科書が改訂されましたが、

再び中3の国語の教科書に井上ひさしの「握手」が採用されていました。

この「握手」が好きです。

「自分を愛するように隣人を愛せよ」

その通りなのですが、実際にはなかなか難しかったりします。

そうした困難を経験しながらも、まさにルロイ修道士はそれを実践された方なのだなあと、

何度読んでもルロイ修道士の大きな愛に胸が熱くなります。

特に、ルロイ修道士が戦争中に収容施設で、日本人に指を叩き潰されたりひどい仕打ちをされたエピソードがあります。

それに対して、ルロイ修道士の養護施設で育てられた「わたし」は、日本人として謝罪します。

すると、ルロイ修道士は、

「日本人やカナダ人というものがあるわけではない、一人一人の人間がいるそれだけのことだ」と言います。

この場面では、罪を憎んで人を憎まず、養護施設の子どもたちへの愛だけでなく、もはや人類全体へのルロイ修道士の大き

な愛を感じます。

こうした素晴らしい作品をこれからも大切に読み継いでいきたいですね。